こんにちは!前回はイサナギ・イサナミ様を紹介しましたが、このお二方からアマテルカミ(天照大神)誕生します。
ヲヲンカミ(天照大神の別の呼び名)が素晴らしい方ということは、このブログでも再三紹介しているのですが、三千年に一度の逸材というか、異次元の指導者:アマテルカミは一体どのようにお生まれになったのでしょうか?
ちなみにイサナギ・イサナミ様が普通に夫婦生活をして、なんとなく授かった方ではありません。(→ここ重要)
光の御子が誕生するまでには、実はアマテルカミの祖父:トヨケカミ、両親:イサナギ・イサナミ様の途方もない努力があったのでした。
今回はその感動とも言えるエピソードをご紹介します。
イサナギ・イサナミ様は長女のワカヒメ様(ヒルコヒメ)を授かるのですが、なかなか跡継ぎとなる男子が誕生しませんでした。
そこで、イサコヒメ(イサナミ様の実名)の父である、トヨケカミ(豊受大神)は世継ぎ子を乞い得るための社(ヨツギヤシロ)を建てて自ら祈ります。
富士山に登り、嗣子の誕生を祈る
更に、イサナギ・イサナミ様も富士山(太古の昔、ハラミ山と呼ばれた)に登って祈ります。
イサナギ様は振り返り、イサコヒメにこう伝えます。
「二人して国々を巡り民を治めた。ヒルコヒメという素晴らしいヒメも儲けた。今度はぜひ日の神を生みたいものだ」
イサナミ様の御心にもちろんイサコヒメも同意し、お二方は千日(2年9カ月)にも及ぶ努力を重ねます。
イサナギ様は池水で左の目を洗い、日の神に祈り、イサナミ様も池水で右の目を洗い、月に祈りました。
そして、イシコリトメという方がマスカガミを作って、お二方にすすめると、イサナギ様は「天下を治める聖なる嗣子を生もう」と決意され、
マスカガミを左右に置いて、左を日、右を月になぞらえて、神様の降臨を一心に祈りました。
千日にも及ぶ努力の後
こうして、千日にも及ぶ努力を重ねた後、お二方の肌が桜色に染まってきました。
そして、イサナギ様は神様の御魂がご自身のチリケ(脊椎骨の第三椎あたり)のに入られたことに感動を覚えました。
イサナミ様は「月のものも終わり、3日経ちました。身は大変綺麗でございます。お日が入るのをお待ちしております」と仰います。
(はるか昔から、女性の月経から3日が受胎しやすいということを知っていたとは驚きですよね!)
そして、イサナギ様はにっこりされて、お二方は心を込めて日輪を拝みました。
すると、目の前にお日様の精が降下されたので、お二人は思わずお日様の精を抱きかかえ、
しばらく夢心地から覚めると心身爽快、かつてない素晴らしい気持ちになりました。(→描写がとにかく美しい)
光の御子誕生
お二人の努力の甲斐あって、ついに男子を懐妊しました。
そして、アマテルカミは二十一スズ百二十枝のキシヱの歳、初日ほのぼの出る日にお生まれになりました。
このスズというのは「マサカキ」のことです。(榊の一種)「マサカキ」は6万年(6万年の尺度は不明)で枯れるとされ、太古の昔には、長い年月を数える暦に用いられていました。
現代でも榊の木は至る所で見られますが、ヲシテ時代に見られた真正のマサカキは枯れてしまい、
全国を探しても見つからなかったので、替わりに梓の木に彫りつけて年数を数えたので、マサカキコヨミからアススコヨミに変わります。ヤマトタケさんの時代にはアススコヨミになっています。
マサカキの一枝を60年、百枝を6千年と数えたので、ニ十一スズとは初代クニトコタチがマサカキを植えてから二十一本目(126万年)、百二十枝(7,2000年)の歳という意味になります。
アマテルカミの産湯を取った方
アマテルカミの産湯を取った方はシラヤマヒメという方です。シラヤマヒメが産湯の奉仕をすると、アマテルカミの体は朝日のようにキラキラ✨と輝き、神々しくてうっとりとするようでした。
そして、アマテルカミの産湯の奉仕の際に、アカヒコという方が桑で作った弓を鳴らして、ハタレ(悪魔)を追い出しました。
これが「鳴弦の儀」の由来になっています。
シラヤマヒメが産湯を取ると、アマテルカミは「あな嬉し」と仰ったそうです。
生まれたばかりの赤ん坊は一般的にワーとか、アーと泣いたり、アウアウという声を出しますよね。それをシラヤマヒメは普通の言葉として聞き取ることが出来たそうです。
アマテルカミ自らイミナを名乗る
そして、アマテルカミにイミナ(本名)を付けようと思ったところ、もしかしたら、自らお名前を考えではない
と御付きの方々は考えました。そこで、シラヤマヒメに聞き取って頂けないかと頼みました。
シラヤマヒメがお名前をお尋ねになると、アマテルカミは「ウヒルギ」と答えたそうです。
ここはホツマツタヱの本文を見てみましょう。
ミコノコエ キキキルトキハ オキナナノ ウハオホイナリ ヒハヒノワ ルハヒノチタマ
ギハキネゾ カレウヒルギノ ミコトナリ キネハメオトノ ヲノキミゾ
御子の声 聴ききる時は 幼名の ウは大いなり、ヒは日の輪 ルは日の霊魂
ギはキネぞ かれウヒルギの ミコトなり キネは夫婦の 男の君ぞ(ホツマツタヱ四アヤ)
大日靈貴命とはアマテルカミのこと
以前に有鹿神社(神奈川県海老名市鎮座)の御祭神が大日靈貴命(オオヒルメムチノミコト)となっていたとお伝えしました。
大日靈貴(ウヒルギ)とは天照大神を指します。有鹿神社ではちゃんと「貴」=男性となっていたので、
アマテルカミ(天照大神)にお会いすることが出来ました。
さて、アマテルカミの祖父:トヨケカミはアマテルカミに「ヒノワカミヤのワカヒト」のイミナ(実名)を奉りました。
ワカヒトとは「光が溢れ出るような方」という意味になります。アマテルカミに相応しいお名前ですよね。
シラヤマヒメのこと
シラヤマヒメのことをもう少し詳しく見てみましょう。ココリヒメ・キクキリヒメとも呼ばれます。
ネノクニ(北陸)出身で、イサナギ様のお姉さんです。アマテルカミ出産時の助産も行っています。
トヨケカミの後を継いで第六代タカミムスビとなられたヤソキネさんに嫁ぎ、ネノクニ(北陸道諸国)を治めたので
シラヤマカミと呼ばれます。居住地は白山比咩神社(石川県白山市)とされています。
このお二方の間に第七代タカミムスビのタカギさんが生まれています。
さて、以上がアマテルカミ(天照大神)誕生までのエピソードになります。
三千年に一度の逸材は祖父、両親、周囲の方々の熱心な祈りと並々ならぬ努力によって誕生されたことが分かりました。
最後までお読みいただきありがとうございました!
参考図書:秘められた日本古代史 ホツマツタヘ 松本善之助氏著 /ホツマ辞典 池田満氏著