こんにちは!今日はヲシテ(古代文字)で書かれた古代文献フトマニについてご紹介したいと思います。
フトマニとは占いの方法を意味しますが、もっと具体的に言うと、占いの卦をベースにして詠まれた128首のウタ(和歌)のことです。
上古代において、ウラナイはモトアケという図を用いて卦を出し、物事の判断を行っていました。この図の中に書かれている文字がヲシテ(古代文字)になります。
ヲシテ文字を始めてみる方もおられると思うので、分かりやすいようにカタカナにした図をご覧ください。
実際にどのように卦を出していたのかは不明ですが、例えば上図の左下にあるように、「ア」・「ヤ」・「マ」という卦が出たとします。そして、ウラナおうとする状況に照らし合わせて、アヤマのコトタマがどのような意味を示すのかを考えます。
その場合、アヤマの3文字から多くの物事を判断するのは困難なため、3文字の卦をベースにしたウタ(和歌)が128首作られました。
フトマニの素晴らしさ
このフトマニのウタ(和歌)は、第八代アマカミのアマテルカミ(天照大神)の発意によって詠まれ、アマテルカミが晩年の時に編纂されました。
この128首のウタはアマテルカミの人生の集大成とも言うべき内容が詠まれており、アマテルカミの御心を窺い知ることができるとても貴重なウタ(和歌)なのです。
このブログで全てを紹介するのは難しいので、詳細は池田満氏の著書をご確認ください。ちなみに、ヲシテ文字(48文字)を覚えてしまえば、ホツマツタヱやフトマニを原文で読めるようになります。
モトアケとは?
話を少し戻して、そもそもモトアケとは何なのでしょうか?
モトアケとは宇宙の始まり、または世界の始まりを意味します。このモトアケの図には、ヨソコ(49神)が書かれています。中心に位置するアウワは、天地・宇宙で言えば絶対神アメミヲヤ、人間界で言えば初の人類ミナカヌシ、クニトコタチ、キタノホシ(北極星)を指します。
アウワの一段下が、「トホカミヱヒタメ」と書かれています。このト・ホ・カ・ミ・ヱ・ヒ・タ・メとは、初代クニトコタチが各地方に遣わした8人の御子のことです。
その他にも方角や季節の守り神を表し、トは南・夏、ヱは北・冬、タは左・春、カは右・秋を意味します。(その他の意味は下図をご参照ください)
更に一段低くなると、アイフヘモヲシスの文字があります。以前にご紹介したアワウタの頭文字と取ると、アイフヘモヲシスになります。
アイフヘモヲシスはどのようなカミなのか見てみましょう。
アイフヘモヲシスの下は更に一段低くなり、ミソフカミ(32神)が配されています。このミソフカミとはアカハナマ(48音)からトホカミヱヒタメとアイフヘモヲシスを除いた32音から成り、人のミメカタチ(顔や姿形)を成すと考えられていました。
このモトアケ(49神)はアメミヲヤ(絶対神)または大宇宙を形どったものであり、ヒト(人)は大宇宙の縮図で小宇宙と考えられていたので、モトアケはヒト(人)を形どったものであると言えます。
モトアケの図を考えたのは誰?
モトアケの図を作られた方は、伊勢神宮外宮に祭祀されているトヨケカミ(豊受大神)です。トヨケカミはヒタカミ(東北)の名家タカミムスビの第5代当主であり、ヒタカミのクニの改革に取り組みました。
その一環として、祭祀する神体系を整理して、人々が心をひとつに合わせるようにしました。これにより人心が安定し、食糧生産に復興をもたらしました。それ以外にもトヨケカミの功績は目を見張るものがあり、枚挙にいとまがありません。
トヨケカミの功績はまた別の機会に紹介したいと思います。
フトマニを読んでみて
では、実際にフトマニを読んでみると、すっと読めるものもあれば、何度読んでも意味が分からないウタも沢山あります。ただすごく不思議なのが、意味も分からないのに、読んでみて自然と涙が出てきたことです。(自分でも驚きました)
その時にフトマニは、ヲシテ文字を翻訳して読むものではなく、心で読むものだと思いました。
そもそもアマテルカミの性格を考慮すると、恐らく誰が読んでも意味が分かるように詠まれたと思うのです。そのため難解な言葉の羅列にはなっていないと思います。
とは言っても、何度読んでも意味が分からないウタもあり、その場合は「新訂 ミカサフミ・フトマニ」池田満氏著をお読みいただくと、分かりやすい注釈を付けてくださっているので、たいへん参考になると思います。
アマテルカミの壮大な愛が伝わるウタでもあり、琴線に触れるウタではありますので、今回ブログで取り上げてみました。
どのウタも本当に素晴らしいのですが、1首ご紹介して終えたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!
参考文献:ホツマ辞典/新訂 ミカサフミ・フトマニ 池田満氏著