アマテルカミの詔~指導者・中間指導者・民を鳥になぞらえる~ 

~指導者・中間指導者・民を鳥になぞらえる~

こんにちは!今日はアマテルカミ(天照大神)が皇孫ニニキネ様の即位の際に出されたミコトノリの一部から、キミ(指導者・アマカミ)・トミ(臣・中間指導層)・タミ(民)一羽の鳥に見立てた内容がとても素晴らしいのでご紹介します。(全文ではないのでご了承ください。)

また、アマテルカミ常に民を慈しむ気持ちを持っておられたことも分かる内容ですので、是非お読みください。

その前に、上古代におけるキミ(指導者・アマカミ)・トミ(臣・中間指導層)・タミ(民)について簡単に説明します。

上古代ではキミ・トミ・タミの立場が明確にされていた

キミ・トミ・タミの区別が出来たのはいつ?

キミ(君)・トミ(臣)・タミ(民)の区別が出来たのは、第三代アマカミトヨクンヌ様の時代とされています。トヨクンヌ様は天から三つの術を分け与えられたので、キミ・トミ・タミが出来たとホツマツタヱには書かれています。

キミの語源

「キミ」とは指導者のことですが、第4代アマカミの「ウビチニ・スビチニ様」が語源となっているらしいです。つまり、ウビチニ様=男「東」に座し、スビチニ様=女「西」に座すことから、キ=東、ミ=西は実を結ぶ方角であるため、「キミ」と呼ばれました。

余談ですが、ホツマツタヱ東西南北は、東=キ、西=ツ、中央=ヲ、南=サ、北=ネと表現していました。つまりネノクニといえば、ネ=北なので、北陸地方のクニという意味になります。

東西ならば本来「キツ」なのですが、実を結ぶ意味の「ミ」を用いたため、「キミ」となったようです。

キミ・トミの役割

では次に、キミトミの役割について見ていきたいと思います。

キミ」=指導者、アマカミ「トミ」=中間指導者層ヲヲヤケ(=Public)の立場を重視して教育指導を行い、トミタミ(=一般国民)に対して教育指導を行うのが主務とされていました。

第八代アマカミアマテルカミトミの役割について述べるミコトノリを池田満氏の著書「ホツマツタヱを読み解く」に分かりやすい注釈が書かれていますので、参考にしながら見ていきたいと思います。

トミたちよ、日常の仕事として人々への指導教育を飽きることなく行ってください。

それはトノヲシテの理念に則って、キミが国民の全てを慈しみ恵もうとする意志に沿うものだからです。

基本として、トミは教える立場にあり、タミは教わる立場にあります。

このことから諫言すると、教育指導を行わないトミは失格であり、教わろうとしないタミも困った問題となります。

何をどうすればよいのか、迷った時には原理原則に立ち返ってみることが大切です。(中略)

トミには人々への指導・教導に日々の務めがあり、タミには農本経済の主力の農耕に力を注げるようにしてあげて下さい。

そして、手工業に従事する人も、商業に働く人々も共に大切な国のタカラです。

これらの人々が存分に働けるように助力をして下さい。

それは、目先の利にだけ捉われずに、トノヲシテの精神に則ってヲヲヤケを立てることがことのほか重要なのです。(ホツマツタヱ 17アヤ-13)

要するにヲヲヤケを立てるとは、自分の利益を考えずに、民への利益、全体の利益を優先することであり、その意識がぶれないように常にトノヲシテを重視していたということですね。

アマテルカミのミコトノリ

さて、話を本筋に戻して、アマテルカミキミ・トミ・タミを一羽の鳥になぞらえたミコトノリを見ていきましょう。この詔は第十代アマカミニニキネ様が即位された時にアマテルカミが出されたミコトノリです。(注釈は松本善之助氏著「秘められた古代日本史ホツマツタヘ」参考)

ホツマツタヱ 24アヤ-4
国がうまくゆくには、キミとトミとタミとの心がひとつになることです。

仮に、日の光を体一杯湛えた鳥が居たとします。その胴体をタミに見立てます。

首はキミです。カガミとツルギの両大臣は左右の羽、足はモノノベです。

キミ・トミ・タミを鳥の体に見立てる
この各々がバラバラに動いたのでは、鳥は到底満足には飛べないでしょう。

だから、心ひとつになるのは、何にもまして大事なことです。

カガミヲミがしっかりせず、その子孫が滅んでしまえば、タミの心は離れるに決まっています。

そうなれば、キミは御位につくことができず、アメナルミチの大理想を実現できなくなるのは

火を見るよりも明らかです。

一方、ツルギヲミがしゃんとせず、その末裔がヨタヨタしていては、輩下のモノノベは仲間割れをし、

世を奪われる羽目にあうのは必定です。カガミのヲミの役目は、穀物を背負って、

営々として働くタミの日常がうまくゆくような仕組みを作り、心を配ることです。

ツルギのヲミの役目は、不心得者を罰し、モノノベの力を盛り立てることです。

このようにタカラモノをミクサに分けて授けるのは、長くこの国が一体であるように願うからに他なりません。

いかがでしたでしょうか?いつもながら愛に満ち溢れたミコトノリですよね?それでいて、オブラートに包まずにちゃんと言うべきことは言うし、伝えるべきことは伝えるアマテルカミの芯の強さを感じます。

そもそも、鳥は上古代ではとても神聖な生き物でした。鳥とは「ト」=「トノヲシテ」「リ」=「有」を意味し、日本国の象徴とするモノザネ(=目に見えないものを見えるものに表徴する古代独特の言葉を指す)としていたからです。

このミコトノリを読むと、トミの役割は民が上手く働けるように仕組みづくりをする責任があることが分かります。また、アマテルカミが民に気を配っておられたことも伺えます。

そして、アメナルミチ精神から常にぶれないように、ずれないように心を配っておいでだったことが分かりますよね。これは何も上古代の話に限らず、現代を生きる私たちにも大切なことを教えて下さっていると思うのです。

中間指導者層の役割とは決して民から搾取することではなく、愛と慈しみを持って民を教え、教導する責任があったことは重ねて強調しておきたいと思います。

今日はこの辺で終わりにしたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました!また、アマテルカミの素晴らしいミコトノリを今後も紹介したいと思います。

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