ウガヤフキアハセズ様誕生秘話

こんにちは!今回はホホテミ様トヨタマヒメとの間にお生まれになった第十二代アマカミウガヤフキアハセズ様誕生秘話に迫りたいと思います。

ホホテミ様御父上ニニキネ様がご高齢になり、ホホテミ様に譲位することになりました。ツクシ(現:宮崎県)におられたホホテミ様ニニキネ様のおられるミヤコ(ミズホノミヤ)に向かいます。

この時、トヨタマヒメホホテミ様の御子をお腹に宿しておられました。

トヨタマヒメ

そこで、ホホテミ様は早船で帰京して産屋を建てて待ち、トヨタマヒメは揺れの少ない船でゆっくり上京することになりました。

しかし、運悪くトヨタマヒメの乗った船が沈没してしまいます。

沈没は大惨事ですが、ましてや身重の身、トヨタマヒメはどれほど必死だったでしょうか。

身重の体で必死に泳ぐトヨタマヒメ

海に投げ出され、海中に沈みゆくトヨタマヒメは、とっさにお腹の子のことを思い、ホホテミ様のお顔が脳裏に浮かびます。

第十一代アマカミ ホホテミ様

海面に浮かび上がったトヨタマヒメは、あきらめずに必死で岸まで泳ぎます。

なんとか一命を取り留め、運良く早船に乗ることが出来たので、予想よりも早く上京することができました。

産屋はまだ完成しておらず、屋根を葺く前の状態でした。海で必死に泳いだせいか、予想よりも早く産気づいたトヨタマヒメは無事に男御子を産みました。

この時代、お産は砂地にワラシベをのせ、ムシロをひいた納屋で行っていました。ウブスナの言葉は産砂が元になっています。トヨタマヒメの産屋は敦賀半島の気比の松原付近に建てられたとされています。

イミナカモヒトと名付けられ、産屋の屋根を葺く前に生まれたことからウガヤフキアハセズ様と呼ばれました。

トヨタマヒメが必死に守ったウガヤフキアハセズ様

産後のトヨタマヒメの体を心配した産医は、しばらくヒメに遭うことはお控えくださいとホホテミ様に伝えます。

ホホテミ様は近くの滞在場所から産屋を見守る日々を送ります。

ホホテミ様、産屋を覗いてしまう

ある日、産屋の戸が開いてたので、ホホテミ様が中を覗くと、トヨタマヒメが衣服をまとわずにお休みになられていました。

産屋の扉が開いていることに気づくホホテミ様

ホホテミ様はヒメに気づかれないようにそっと戸を閉めて、立ち去ろうとしたのですが、物音でトヨタマヒメホホテミ様にあらわな姿を見られてしまったことに気が付きます。

恥ずかしく思ったトヨタマヒメは、弟のタケツミさんに九州に帰ろうと言います。

そして、生まれたばかりの赤子を置いて、京都の貴船まで辿り着きました。ホホテミ様から伝言もあり、トヨタマヒメは貴船に留まるのですが、ミヤコでは正妃が不在のまま、ホホテミ様の即位の儀式が執り行われたのでした。

ここで、ニニキネ様登場

さて年も変わり、一向にミヤコに戻らないトヨタマヒメを心配されたニニキネ様が登場します。

トヨタマヒメワケイカツチノミヤ(現:上賀茂神社)ニニキネ様をお迎えします。

トヨタマヒメをお諭しになるニニキネ様

トヨタマヒメにお会いしたニニキネ様が優しく語り掛けます。

そして、ご自身の袖に掛けてあった、葵の葉を指さして「これは何の葉ですか」と尋ねます。

「葵の葉です」トヨタマヒメは答えます。

今度は桂の葉を指さして「では、これは?」と尋ねると、

トヨタマヒメ「桂の葉です」と答えます。

そこでニニキネ様「どちらか一方が欠けてはいませんか?」

桂の葉(左)と葵の葉(右)

ニニキネ様の真意を察したトヨタマヒメはこう答えます。

「どちらも欠けてはいないのです。私の心は今でもホホテミ様と共にあります。しかし、私は海で溺れかけて岸まで泳ぎ、産屋ではあらわな姿をホホテミ様に見られてしまいました」

「それは恥ではないのですよ。ヒメが海で必死に泳いだのは、ご自身の御子を思ってのことでした。これは一生懸命生きようとするワイキ(地の心)です」

「また、ヒメはあらわな姿をホホテミに見られたことを気にされていますが、ホホテミが産医の言うことを聞かずに起きた出来事で、ヒメミヤコに戻れば自然と消えてしまうものなのです。不可抗力から起きた出来事はアイキ(天の心)に任せるしかありません」

そして、ニニキネ様はこう続けます。

葵の葉男性桂の葉女性を表すことはヒメもご存じですね?夫婦はどちらかが欠けても成り立ちません。ヒトイ(人の心)は人間関係や夫婦関係が円満になってこそ解決します」

そして、どこまでも風流な方なのであった

ニニキネ様のお諭しもあり、トヨタマヒメホホテミ様の元に戻ります。そしてこの出来事が葵祭の本来の由来となっています。

今日は第十二代アマカミウガヤフキアハセズ様の誕生秘話について書きました。

最後までお読みいただきましてありがとうございました!

参考図書:古代史ホツマツタヱの旅 第二巻 いときょう氏著

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